- 無意識に起こる顔の動き「顔面けいれん」とは
- 顔面けいれんでみられる主な症状の特徴
- なぜ顔面けいれんが起こるのか考えられる原因
- 顔面けいれんはどのように診断される?
- 顔面けいれんの治療・方針
- 顔面けいれんに関するよくある質問
無意識に起こる顔の動き「顔面けいれん」とは
顔面けいれんとは自分の意思とは関係なく、目や口、頬などの顔の筋肉がピクピクと動いてしまう状態を指します。
最初は「疲れているだけかな」「一時的なものだろう」と思われることも多い症状ですが、次第に頻度が増えたり、動きが大きくなったりすることがあります。
特に多いのが片側の目の周囲から始まり、口元や頬へ広がっていくタイプです。
緊張したときや会話中、人前に出たときに目立ちやすく、日常生活や仕事、対人関係にストレスを感じる方も少なくありません。
顔面けいれんでみられる主な症状の特徴
顔面けいれんの症状には、次のような特徴があります。
- 目の周囲がピクピクと細かく動く
- 片側のまぶたが勝手に閉じてしまう
- 口元や頬が引きつるように動く
- 会話中や緊張時に症状が強くなる
- 睡眠中は症状が出にくい
症状は片側だけに出ることが多い点が特徴で、左右両方に同時に起こることは比較的まれです。
また、本人の意思で止めることができず、「我慢しよう」とするとかえって強くなることもあります。
なぜ顔面けいれんが起こるのか考えられる原因
顔面けいれんの主な原因は、顔面神経への持続的な刺激と考えられています。
血管による神経の圧迫
最も多い原因は、脳内の血管が顔面神経に接触・圧迫している状態です。
この圧迫によって神経が過敏になり、顔の筋肉に誤った信号が伝わることでけいれんが起こります。
神経の興奮が続くことによる影響
長期間にわたって神経が刺激されると顔面神経の興奮が慢性化し、症状が徐々に強くなることがあります。
ストレスや疲労は原因?
ストレスや疲労は直接の原因ではありませんが、症状を悪化させる要因になることがあります。
「疲れるとピクピクが強くなる」と感じる方も多くみられます。
顔面けいれんはどのように診断される?
顔面けいれんの診断では、症状の経過や出方を詳しく確認する問診が重要です。
どの部位から始まったのか、片側か両側か、どのような場面で強くなるかなどを丁寧に確認します。
そのうえで、MRIなどの画像検査を行い、顔面神経を圧迫している血管の有無や、他の疾患が隠れていないかを調べます。
似た症状を示す疾患(眼瞼けいれんなど)との鑑別も重要なポイントです。
顔面けいれんの治療・方針
顔面けいれんの治療は症状の強さや生活への影響を踏まえて選択されます。
薬による治療
神経の興奮を抑える目的で内服薬が使われることがあります。ただし、十分な効果が得られないケースも少なくありません。
ボツリヌス療法
現在、広く行われている治療の一つが、ボツリヌス毒素製剤を用いた治療です。
けいれんが起こる筋肉に注射することで筋肉の過剰な動きを抑え、症状を軽減します。
効果は数か月持続することが多く、定期的に繰り返すことで症状をコントロールします。
手術による治療
血管による神経圧迫が明らかな場合には、手術による治療(神経の圧迫を取り除く方法)が検討されることもあります。
症状の根本的な改善を目指す治療ですが、適応は慎重に判断されます。
顔面けいれんに関するよくある質問
顔面けいれんは自然に治りますか?
顔面けいれんは、症状が一時的に軽くなったり、ピクピクする頻度が減ったりすることはありますが、自然に完全に治るケースは多くありません。
特に、血管が顔面神経を圧迫している場合にはその状態が続く限り症状が繰り返されることがあります。
そのため、「しばらく様子を見ていれば治るだろう」と放置するよりも、症状が続く場合は早めに医療機関で相談することが結果的に負担を減らすことにつながります。
一時的な目のピクピク(まぶたの痙攣)とは何が違いますか?
一時的な目のピクピクは疲労や睡眠不足、目の使い過ぎなどによって起こることが多く、数日から1〜2週間程度で自然に治まるのが一般的です。
一方、顔面けいれんでは症状が長期間続き、目の周囲だけでなく口元や頬へ広がることがあります。
また、顔面けいれんは本人の意思で止めることができず、緊張時や会話中に強く出やすい点も違いの一つです。
顔面けいれんは両側の顔に起こることもありますか?
顔面けいれんは、片側の顔に起こることがほとんどです。左右どちらか一方の目から始まり、同じ側の口元や頬に広がるケースが典型的です。
両側に同時に症状が出る場合は比較的まれで、他の疾患の可能性も考慮する必要があります。
そのため、症状の出方が典型的でない場合にはより詳しい診察や検査が行われます。
顔面けいれんを放置すると悪化しますか?
顔面けいれんを放置していると、症状の頻度や範囲が徐々に広がることがあります。
最初は目の周囲だけだったものが、次第に口元や頬まで動くようになり、見た目や会話への影響が大きくなるケースもあります。
また、症状が長く続くことで精神的なストレスが増し、日常生活に支障を感じる方も少なくありません。
市販薬で顔面けいれんは治りますか?
顔面けいれんは神経の異常な興奮が原因で起こるため、一般的な市販薬で改善することは期待しにくいとされています。
鎮痛薬やビタミン剤などを使用しても、根本的な改善につながらないケースが多いのが実情です。
症状が続く場合は、自己判断で市販薬を使い続けるよりも、医師に相談することが安心です。
ストレスや疲労は原因になりますか?
ストレスや疲労は顔面けいれんの直接の原因ではありません。
ただし、これらは症状を強く感じさせたり、頻度を増やしたりする要因になることがあります。
「忙しい時期や緊張する場面でピクピクが目立つ」と感じる方は多く、治療とあわせて生活リズムを整えることも大切です。
ボツリヌス療法は安全な治療ですか?
ボツリヌス療法は、顔面けいれんの治療として広く行われている方法です。
医師が症状の出ている筋肉を確認したうえで適切に注射を行うため、一定の安全性が確立されています。
一時的に違和感や軽い副作用が出ることはありますが、多くの場合は時間とともに落ち着きます。
どの診療科を受診すればよいですか?
顔面けいれんが疑われる場合は、脳神経内科や脳神経外科での相談が一般的です。
眼科や歯科を受診しても原因が分からなかった場合に、これらの診療科で診断されるケースもあります。
症状の経過や気になる点を整理して伝えることで、診察がスムーズになります。
顔面けいれんは仕事や運転に影響しますか?
症状の程度によっては仕事や日常動作に支障を感じる方もいます。
特に、人と話す場面や集中が必要な作業中に症状が出ると、心理的な負担が大きくなることがあります。
運転に関してもまぶたが閉じるほどの症状がある場合には注意が必要です。
早めに受診したほうがよい目安はありますか?
顔のピクピクが数週間以上続いている場合や症状が徐々に広がっている場合は一度医療機関で相談することをおすすめします。
また、日常生活や仕事、人前での活動に支障を感じている場合も受診の目安になります。
早めに相談することで、症状に合った治療選択がしやすくなります。







